Im Anfang war das Buch-購書&購盤日記-

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《TV》2008.09.20 「官僚たちの夏」(最終回)



ドラマ「官僚たちの夏」

 2009年7月5日から9月20日までTBS系列「日曜劇場」内で放送。原作は、もちろん城山三郎『官僚たちの夏』です。私は20年ほど前に読みました。官僚について語るときの一つの原点となる作品でしょう。
 TVでは、どうしても描き方が一本調子になってしまい、清も濁もあわせて重層的に描くことが難しくなってしまいます。
 以下は、原作のラストの部分、風越と新聞記者の西丸の会話です。
 そして、また冬。冷えこみのきびしい夜、新橋の小料理屋で新聞記者の西丸とのんでいるとき、庭野が倒れて病院へかつぎこまれたという報せがきた。すぐタクシーを拾い、病院へとばした。
 酔いの回った西丸が、タクシーのなかでいった。
「これで庭野もおしまいや。結局、あんたがつぶしたようなもんや」
「なんだと」
「庭野はひとりでものびる男やったのに、あんたが庭野庭野といいすぎたんや」
「しかし、おれは人材を……」
「たしかに人材や。けど、それが問題や。鮎川や、その次は庭野やと、あんたはずっと先まで読む。先の先まできめられてしもうと、人間くさるし、反撥もする。そういう反感が全部、庭野たちにぶつかって行くんや」
「ばかな。人間をつぶして、何の政策だ。おれは庭野のように全力で生きる人間を……」
「ほら、また庭野や」
 風越は、鼻を鳴らして黙った。その暗く光る角縁の眼鏡に、西丸は酒くさい息とともに浴びせかけた。
「競走馬じゃあるまいし、全力で走りさえすればええというもんやない。いや、競走馬かて、毎日毎日全力で走らされりゃ、脚でも折るのが関の山や。競馬にたとえてわるいが、あんたの持ち馬は、みんな、死ぬか、けがしてしもうた。死屍累々というところや。もちろん、牧かて、ひょっとすると、ケガしかねん馬やが、片山ならケガはせん。牧が柏戸なら、片山は大鵬のようにやわらかい男や。これからはああいう男の世の中になるとちゃうか」
「いや、そんなことは絶対に許さん」
「まだ、そんなこといいおる。あんたの許す許さんの問題やあらへんのや」
「しかし……」
「ケガしても突っ走るような世の中は、もうそろそろ終りや。通産省そのものがそんなこと許されなくなってきおる。それにな、片山たちが天下国家を考えて居らんと、あんた、どうしていいきれるんや。彼等は彼等なりに……」
「黙れ。おまえまでおかしくなったのか」
 折からタクシーは、虎ノ門から霞が関へとさしかかっていた。
「お客さん、雪になりましたねえ」
 運転手がつぶやいた。ヘッドライトの中へ、白いものが無数におどりこんでくる。その向うに、懐しい官庁街が見えた。どこもほとんど真暗な中で、その夜も通産省の建物には、まだかなりの灯がともっていた。(『城山三郎全集 4 官僚たちの夏 真昼のワンマン・オフィス』新潮社 pp.167~168)



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  1. 2010/01/30(土) 09:33:02|
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《TV》2007.01.21 「NHKスペシャル “グーグル革命”の衝撃」

「NHKスペシャル “グーグル革命”の衝撃~あなたの人生を“検索”が変える~」
グーグル革命の衝撃

○内容紹介
世界のインターネット業界で今、劇的な地殻変動が起きつつある。震源地は検索エンジンの雄、「グーグル」だ。八年前スタンフォード大学の学生二人が学生寮から立ち上げたベンチャー企業は、今や時価総額18兆円、ITの巨人マイクロソフトの地位を揺るがそうとしている。躍進の原動力は、ネット検索サービス。世界でグーグルが検索される回数は一日10億回、世界中すべての人間が一日一度はグーグルに向かってキーワードを打ち込むといわれている。世界中が情報をグーグルに頼り、かつ頼らざるをえなくなりつつある。そのインパクトは「グーグル革命」とも呼ばれ、「文明に対し人間が文字を発明して以来の衝撃をもたらしつつある」という指摘もある。検索サービスを核に進化するインターネットの新たな波が、我々の暮らしや社会にどのような影響を及ぼしつつあるのかを伝える。

 拙ブログで紹介した梅田望夫『ウェブ進化論-本当の大変化はこれから始まる-』ちくま新書佐々木俊尚『グーグル Google-既存のビジネスを破壊する-』文春新書などを読んでいれば、特に目新しい内容ではありませんが、知らない人にとっては結構衝撃的な内容ではなかったのではないかと思います。
 ところで、番組中に出てきたキンダースタート社が起こした“グーグル八分”の裁判結果はどうなったんでしょうね。
  1. 2007/02/03(土) 18:47:26|
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《TV》2007.01.14 「華麗なる一族」(第1回)

ドラマ「華麗なる一族」

 TBSの開局55周年記念番組として、「華麗なる一族」が始まりました。原作は今から25年ほど前に読みました。映画(1974年・山本薩夫監督)も見ました。いずれも深く感銘を受けました。1974年には山村聰主演でテレビドラマ化しているそうですが、これは未見です。
 今回のドラマでは主役が万俵大介から万俵鉄平に変更され、その鉄平をキムタクが演じています。私としては違和感の塊で、見ていて苦しい感じです(映画では仲代達矢)。また、大介の北大路欣也も映画の佐分利信の凄みには及ばない感じです。まあ、別物として楽しむべきなのでしょう。
 同じ山崎豊子原作のドラマのリメイクということで「白い巨塔」を連想させます。「白い巨塔」では時代が現代に移されていました。「華麗なる一族」では昭和40年代のままです。これはこの方がいいでしょう。制作は大変だと思いますが。
 なお、TBSの公式ホームページのCAST紹介では、キムタクのみ写真がでていません。ジャニーズの肖像管理、恐るべし。

※日曜劇場・華麗なる一族

※華麗なる一族(ウィキペディア)
  1. 2007/01/16(火) 05:57:04|
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