Im Anfang war das Buch-購書&購盤日記-

本やCDを買う日々の記録です。完全版はこちら → http://blog.goo.ne.jp/azev

《読書》佐藤大輔『レッドサン ブラッククロス〈2〉-迫撃の鉄十字-』徳間書店

レッドサンブラッククロス2


●〔74〕佐藤大輔『レッドサン ブラッククロス〈2〉-迫撃の鉄十字-』徳間書店 1994
(2006.09.23読了)
1948年5月13日。遂に大ドイツ帝国による対米侵攻作戦〈ゴールド〉が発動された。圧倒的火力を誇るドイツ軍に合衆国軍は次々に撃破されてゆく。さらに世界初の反応弾を搭載する中距離弾道弾がホワイトハウスを直撃するに及び、合衆国は事実上崩壊した。一方、インド洋ではドイツの誇る巨大新鋭戦艦が通商破壊作戦を行なっていた。これを撃滅せんと、超大和級戦艦「紀伊」「尾張」が出撃する。

 陸戦、海戦の様子とも詳細に描かれていました。マニアには堪らないところでしょうが、私はそちらの方はあまり興味がないのでイマイチでした。
 ヴァルター・シェレンベルクとクラウス・シェンク・フォン・シュタウフェンベルクの密会(?)の場面がありましたが、今後どう展開していくのでょう。
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  1. 2006/09/30(土) 05:27:53|
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《購書》 2006.09.24 ブックオフ福山野上店

ブックオフ福山野上店

●2006218,神童,山本茂,,文藝春秋,,1996,¥105
 面白いかと思って。

●2006219,キヤノン特許部隊,丸島儀一,,光文社,光文社新書,2002,¥105
 面白いかと思って。

プルーストを読む

●2006220,プルーストを読む-『失われた時を求めて』の世界-,鈴木道彦,,集英社,集英社新書,2002,¥105
 知的興味関心から。

●2006221,短く書く仕事文の技術-削り方・磨き方・仕上げ方-,高橋昭男,,講談社,講談社+α新書,2001,¥105
 役に立つかと思って。

●2006222,落語を楽しもう,石井明,,岩波書店,岩波ジュニア新書,1999,¥105
 落語物なので。
  1. 2006/09/29(金) 05:53:28|
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《購書》 2006.09.23 児島書店

児島書店
 前にも書きましたが、棚の充実度では、そこらへんの新古書店とは格が違います。食指をそそる本が多数ありましたが、やっぱお値段が……。

新潮社

●2006216,新潮社八十年小史,百目鬼恭三郎,,新潮社,,1976,¥500
 珍しい本なので。

●2006217,日本のファシズム,河原宏・浅沼和典・竹山護夫・浜口晴彦・柴田敏夫・星野昭吉,,有斐閣,有斐閣選書,1979,¥1,000
 知的興味関心から。

 少しサービスしていただきました。
  1. 2006/09/28(木) 05:49:09|
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《読書》中山康樹『ジャズの名盤入門』講談社現代新書

ジャズの名盤入門


●〔73〕中山康樹『ジャズの名盤入門』講談社現代新書 2005
(2006.09.20読了)
◎内容紹介
BGM代わりに聴くだけでは気づかない、名盤ならではの魅力とは何か。スリリングな怒涛のライヴからリリカルなピアノトリオまで、今なお刺激的な必聴盤50枚を厳選したディスクガイド。

 高校入学以来、20年以上、音楽はクラシック・オンリーでした。5年ほど前、ふと思い立ってジャズを聴きはじめました。
 とりあえず入門書をということで、内藤遊人『はじめてのジャズ』講談社現代新書(1987)、後藤雅洋『ジャズの名演・名盤』講談社現代新書(1990)と読んで、中山康樹『超ジャズ入門』集英社新書(2001)に出会いました。その面白さにぶっ飛んでしまいました。
 『ジャズ名盤を聴け!』双葉文庫(2001)、『ジャズを聴くバカ、聴かぬバカ-超裏口入門編-』KKベストセラーズ(2002)、『スイングジャーナル青春録 大阪編』径書房(1998)、『スイングジャーナル青春録 東京編』径書房(1999)と次々に中山康樹の本を読んでいきました。

 この本も中山康樹の著作ということで買い求めて読みました。内容紹介にあるように「一家に一枚盤」となる名盤を紹介して、解説した本です。面白く読むことができました。聴欲、蒐集欲を刺激されました。

 ジャズに限らず、音楽は個人的な好みの問題であり、ある人にとっては感動的な演奏でも、ある人にはまったく響かないということがしばしばある。たしかに音楽の好みというものは、人によってさまざまではあるのだろう。
 だがその一方では、はたしてすべてが個人的な好悪だけで判断されるべきものだろうかとの疑問もある。(中略)
 音楽には、あきらかにレヴェルの違いがある。「格」といいかえてもいいだろう。そして聴き手の耳にもレヴェルの差は歴然としてある。よって音楽に対する好悪とは、音楽そのものを度外視した、まさに個人的なレヴェルの程度を反映させたものでしかないともいえる。それは、いうまでもなく音楽に対する評価ではなく、自分の耳に対する評価にほかならない。(pp.3~4)
 私のレヴェルはまだまだのようです。

 しかし、中山康樹、今年になって、『Jazz“名盤”入門!』(宝島社新書)(後藤雅洋との共著)、『大人のジャズ再入門-マイルスとブルーノートを線で聴く-』(朝日選書) と相次いで出版しており、その他MOOKの類も含めると、ちょっと入門書書き過ぎという気もします。

※nkym.net: Read NKYM!!(新ナカヤマを読め!!)
  1. 2006/09/27(水) 21:13:58|
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《読書》保阪正康『物語 大学医学部』中公新書ラクレ

物語 大学医学部


●〔72〕保阪正康『物語 大学医学部』中公新書ラクレ 2006
(2006.09.18読了)
受験エリートたちの集う大学医学部。全国80におよぶこの医師養成機関は、どのようにして出来上がり、どこへ向かおうとしているのか。学生たちは良医の道を歩めているのか。21世紀の医療が問われているいま、改めて「医学部」の歴史と現在を検証する。昭和史研究、現代史研究の第一人者が、四半世紀にわたりこの巨大組織を見つめたうえで、満を持して世に問う力作。ベストセラー『医学部残酷物語』(ラクレ)に続く保阪正康の医学部ドキュメント第二弾、5年ぶりに登場!
第1部 当世医学部気質の傾向と対策
第2部 昭和の大学医学部とは、いかなる組織だったか
第3部 平成の大学医学部が模索する新医師像

 特に第2部を興味深く読むことができたのですが、本書の最後のページに「註」として次のような文章がありました。
 本書は、拙著『大学医学部』(講談社文庫、一九八七年)より、「第一章 加熱する『医学部受験』の論理」「第二章 医学教育はどう行なわれているか」「第4章 頂点に君臨する東京大学医学部」を再構成して第二部とした。第一部と第三部は、本章のために書き下ろした。

 『大学医学部』は10年ほど前に読んでいました。
(1968年頃からの新設私立医科大学の設立ラッシュの頃の話)
 たとえば、ある私立医科大学の新設趣意書には、臆面もなく次のように書かれていた。
「私たちの子弟が医師になれないことは、即破産につながります。皆様の築いた地盤、名声、地位が一挙に崩れるのです。皆様、官学がだめなら、私たちは団結して、われわれの跡取りの養成機関としての新設医大を作ろうではありませんか」(p.49)

  1. 2006/09/26(火) 05:35:00|
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《読書》志摩永寿『本の饗宴-新保守の読書術-』徳間書店

本の饗宴


●〔71〕志摩永寿『本の饗宴-新保守の読書術-』徳間書店 1997
(2006.09.13読了)
国を思う〈新保守派〉は、いまどんな本を読むべきか。700余冊の書物を渉猟した著者が贈る読書案内。自在な批判精神で、リベラル迎合論の矛盾を突き、マスコミの欺瞞を撃つ痛快の書。

 著者は「新保守派」ということで、私とは思想的には相容れないことはわかっていましたが、下記のような著者の本好きぶりから何か得るものがあるかと思って買いました。
 二十年前の一九七七年、大学に入学したその年の四月から一日一冊の本を読むのを日課としてきた。買うのは一日二冊前後だったが、我が家には今、二万数千冊ぐらいの本が埋もれているようだ。いろんな本を読んでは中身をすぐ忘れ、積ん読をしては買ったことを忘れ同じ本を買ったりする日々を過ごしている。(p.1)

 内容は、文字通り「新保守の読書術」ということで、いわゆる「進歩的」なマスコミ(朝日新聞など)や知識人(岩波文化人など)への攻撃、罵倒に終始しており、正直、辟易しました。

◎著者のスタンス
 だが、何度も言うように、基本的にコミュニスト=ファシストであり、こうした左右の薄汚い全体主義者が行った自国民への計画的虐殺、特定民族抹殺の事実は否定しようのないものだ。(p.30)

 元旦は鎌倉の鶴岡八幡宮に出掛ける。(中略)絵馬にあれこれ大学合格だのお祈りの言葉を書いているのを見て、そういえば十八年近く前の大学二年の夏休みに高校時代の友人が上京した時、ここに来て絵馬にソ連や中共や日教組が滅びますようにといった趣旨のことを書いてお祈りしたことがあったっけと思い出した。(p.318)

 栴檀は双葉より芳ばし!?

◎家庭ネタ
「読みもしない本を買うな、台所に本を置くな、読んだら売り飛ばせ……」といった丁稚に対する女主人のような罵声を古女房から浴びせられ、子供たちからは「あっ、また夫婦喧嘩の巻だ」とからかわれつつも、「それでも地球は回るし本は買うしかない」とガリレオの心境になってじっと耐えて十余年である。(p.2)

 なお、こうした個人的な雑感を綴った読書日記がこうして世に出るにあたって、さまざまな人の恩がある。(中略)もちろん、古女房の恩は上野の山より高く不忍池よりも深いことは言うまでもない。(p.4)

(鹿島茂『子供より古書が大事と思いたい』に関して)
僕などは、せいぜい鎌倉に家族で出掛けた時に、家族をハンバーガー屋に連れていって、二十分ぐらい食べながら待っていてよ、ちょっと古本屋を覗いてくるからと言って、二時間ぐらい戻ってこないといった程度のことしか出来ない?(p.105)

「親が死んでも食休み、妻が死んでも中野サンプラザ古本市」といわれる(?)が、恒例の古本市に出かけた。(p.125)

 ジャンヌ・ハンソンの『中年を悟るとき』(飛鳥新社)を読む。イラスト付きの薄い本なり。一言シリーズで中年を悟るときのエピソードが紹介されている。例えば、「バード・ウォッチングというのは、あれはあれでなかなかの趣味だと思う」「赤いスポーツカーにも、二十歳年下の幼い妻にも憧れを感じなくなった」「年寄りが年寄りに見えなくなってきた」等々と続くのである。息子のお古を着るようになった時も中年のスタートのようだが、我が家には幸いにもまだ物理的にそういう状況は生まれてはいない。同居人が病死する時のことは常に念頭に置いているので、「十五歳前後年下の幼い妻」への憧れもまだ失ってはいない。電車で二十二歳前後の清楚な美女をたまに見かけては、万が一の後妻にどうかと思案している我が身は、まだ中年には程遠いと言うしかあるまい(そういう美女を見て、息子の嫁に来てほしいなどと思い出したら、それは間違いなく中年であろう)。(p.273)

 私も同じように家庭内で迫害を受けているので、この部分は共感できました(^_^;)。奥さんは早稲田大学出身で、著者以上の保守派ということです。
 著者は「テツ」のようです。当時小学生の息子と時々鉄道の旅に出ています。また、ナチュラリストでもあるようで、その類の本も結構読んでいます。

◎著者は誰?
 ある月刊メディアで、あるペンネームで十年以上前から毎月六十枚前後の分量の読書日記を書いてきた。本書はその連載のここ一、二年分をまとめたものである。「塵も積もれば山となる」の譬え通りだ。まとめるにあたって、本読みとは関係のない雑文などはかなりの分量をカットしたりもしたが、ほとんど加筆することなくそのまままとめた。(p.1)

 本書には1995年11月から1997年5月までの読書日記が収められています。
 あるペンネームとは何でしょう? 著者の本職は?(この読書日記だけで食べているとは思えません)
 ネット上でいろいろ検索してみましたが、結局わかりませんでした。

 厠上の書としました。
  1. 2006/09/25(月) 20:51:08|
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《購盤》2006.09.23 某所・講演会

某所・講演会
マイ・ハート弦楽四重奏団

◎ドヴォルザーク・ベートーヴェン/弦楽四重奏曲
 ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番へ長調「アメリカ」
 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番ハ長調「ラズモフスキー第3番」
  マイ・ハート弦楽四重奏団
 ¥2,500

 沖田孝司さんの講演会(お話と演奏)があり、その会場で売られていたので買い求めました。

※沖田孝司オフィシャルウェーブサイト
  1. 2006/09/24(日) 15:36:25|
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《購書》 2006.09.18 ツタヤ福山西新涯店

ツタヤ福山西新涯店
AERA with Kids Vol.3


◎『AERA with Kids Vol.3』(朝日新聞社) ¥600

 有益な情報があるかとおもって。
  1. 2006/09/23(土) 04:41:47|
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《購書》 2006.09.18 古本市場曙店

古本市場曙店

●2006215,「悪魔祓い」の戦後史-進歩的文化人の言論と責任-,稲垣武,,文藝春秋,文春文庫,1997,¥315
 面白いかと思って。

◎みんなで笑える!心理ゲ-ム,マイバースデイ編集部,,実業之日本社,ヤングセレクション,2000,¥105
 娘(小4)が欲しがったので。

◎名探偵コナン特別編(3),(原案)青山剛昌(まんが)阿部ゆたか・丸伝次郎,,小学館,てんとう虫コミックス,1997,¥168
 娘(小1)が欲しがったので。
名探偵コナン特別編(3)

  1. 2006/09/22(金) 05:38:29|
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《購書》2006.09.17 宮脇書店福山多治米店

宮脇書店福山多治米店
『プレジデントファミリー』11月号


◎『プレジデントファミリー』11月号 プレジデント社 ¥680

 有意義な情報があるかと思って。
  1. 2006/09/21(木) 04:43:03|
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《購書》 2006.09.16 ブックオフ福山野上店

ブックオフ福山野上店

●2006211,拒否できない日本-アメリカの日本改造が進んでいる-,関岡英之,,文藝春秋,文春新書,2004,¥105
●2006212,正義を疑え!,山口意友,,筑摩書房,ちくま新書,2002,¥105
●2006213,百年分を一時間で,山本夏彦,,文藝春秋,文春新書,2000,¥105
百年分を一時間で

●2006214,酒乱になる人、ならない人,真先敏弘,,新潮社,新潮新書,2003,¥105
 以上、知的興味関心から。
  1. 2006/09/20(水) 05:17:54|
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《購盤》2006.09.16 CD専門館・ファミリーレンタル

CD専門館・ファミリーレンタル

ディッピン


◎ディッピン/ハンク・モブレー

 リー・モーガン(TP),ハンク・モブレー(TS)、ハロルド・メイバーン(P)、ラリー・リドレー(B)、ビリー・ヒギンズ(DS)
ブルーノート ¥1,380

 中山康樹『ジャズの名盤入門』(講談社現代新書)で推薦されていたので。

アーノンクール/バッハ


◎バッハ:狩りのカンタータ&農民カンタータ/アーノンクール指揮 ウィーン・コンツェントゥス

 楽しき狩りこそわが悦びBWV208(狩りのカンタータ)
 われらの新しいご領主にBWV212(農民カンタータ)
  ニコラウス・アーノンクール指揮 アルノルト・シェーンベルク合唱団 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス アンジェラ・マリア・ブラーシ,イヴォンヌ・ケニー(S) クルト・エクヴィルツ(T) ローベルト・ホル(BS)
テルデック ¥580

 バッハなので。

アンチェル/ブラームス


◎ブラームス:交響曲第1番、悲劇的序曲/カレル・アンチェル、チェコ・フィル

 ブラームス:
 交響曲 第1番 ハ短調 Op.68
 悲劇的序曲 Op.81
  カレル・アンチェル(指揮)、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
スプラフォン ¥580

 アンチェルなので。
  1. 2006/09/19(火) 05:54:16|
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《読書》志賀浩二『古本屋残酷物語』平安工房

古本屋残酷物語


●〔70〕志賀浩二『古本屋残酷物語』平安工房 2006
(2006.09.10読了)
古本屋の呑気なイメージに憧れて、脱サラ・開業早一年。好きな本に囲まれて過ごす日々は何と甘美な事よ、と思っていたら、文字通り甘かった!昨日より今日、今日より明日、確実に不幸度が加速する、貧乏ハイウェイまっしぐら!

 その筋(?)では有名になっていた本なので、読みたいと思っていたので、品薄ということで半ばあきらめていました。奥付を見ると「二〇〇六年四月二七日初版第一刷三〇〇部発行」となっています。それが、福山の書店の店頭で見つかるとは! よくぞここまで辿り着いたものです。

 内容はユーモラスで少しトホホで、古書店主同士の熱い交流もあり、大変に面白く読むことができました。出会い系のサクラの話や、ヤフーIDの削除の話など興味深い話もありました。

 「昨日より今日、今日より明日、確実に不幸度が加速する、貧乏ハイウェイまっしぐら!」とありますが、そんなに悲愴感は感じませんでした。息子をスイミングクラブへ入れようかという話も出てくるくらいなので(p.151)、それほど追い詰められているわけではと邪推してしまいます。

 「収録分はブログ上から削除しています。」とあるよう、本書の商品価値を高めるような努力もなされていました(笑)。

 跋文は石神井書林の内堀弘氏です。

※古書窟揚羽堂~古本屋残酷物語

※「日本の古本屋メールマガジン その42・2006年6月23日号」
  1. 2006/09/18(月) 08:19:29|
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《読書》藤原正彦『祖国とは国語』新潮文庫


●〔69〕藤原正彦『祖国とは国語』新潮文庫 2006
(2006.09.07読了)
国家の根幹は、国語教育にかかっている。国語は、論理を育み、情緒を培い、すべての知的活動・教養の支えとなる読書する力を生む。国際派の数学者だからこそ見えてくる国語の重要性。全身全霊で提出する血涙の国家論的教育論「国語教育絶対論」他、ユーモラスな藤原家の知的な風景を軽快に描く「いじわるにも程がある」、出生地満州への老母との感動的な旅を描く「満州再訪記」を収録。(裏表紙)

 メインは「国語教育絶対論」です。
 問題は我が国の劣化しきった体質を念頭に、いかに教育を根幹から改善するかである。そのため、具体的に何から手をつけたらよいのか、ということである。私には小学校における国語こそが本質中の本質と思える。国家の浮沈は小学校の国語にかかっていると思えるである。(p.15)

 数学を学んでも「論理が」育たないのは、数学の論理が現実世界の論理と甚だしく違うからである。(p.19)

 小学校における教科間の重要度は、一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数、あとは十以下なのである。(p.34)

 大筋では私も賛成です。数学を学んでも「論理」が育たないとか、「三、四がなくて五に算数」というのも、数学者である著者が言うだけに説得力があるような気がします。ただ、あまりにも大所高所過ぎて、緻密な論証となると「?」がつくようです。

 例えば、次のような文章があります。
ユダヤ民族は二千年以上も流浪しながら、ヘブライ語を失わなかったから、二十世紀になって再び建国することができた。私には英米にユダヤ人の友達が多くいるが、ある者は子供の頃、家庭でヘブライ語で育てられ、ある者はイスラエルの大学や大学院へ留学し、ヘブライ語を修得した。ユダヤ人の国語に対する覚悟には圧倒される。(p.29)

 しかし、内田樹『私家版・ユダヤ文化論』文春新書(2006)には次のように述べられています。
 ユダヤ人は世界中に散らばっていて、イスラエルから日本までに世界各地に棲みついている。もちろん場所によって、国籍も、ライフスタイルも、用いている言語も違う。(中略)その他いろいろなユダヤ人が世界各地にいて、いろいろな国籍を持ち、いろいろな言語を語っている。
 「ユダヤ人の国」であるイスラエルにおいても、セファルディーム系は「ラディノ」、アシュケナジーム系は「イディッシュ」(それぞれスペイン語、ドイツ語との混淆語)という違う言語をいまだに維持している。(中略)
 敬虔なユダヤ教の家では子どもにヘブライ語を習わせることがあるが、宗教的な儀礼に用いられる聖書ヘブライ語は、現在イスラエルで用いられる現代ヘブライ語とは別の言語である。(p.24)

 「国語教育絶対論」の他には雑多なエッセイが収められています。当然、玉もあれば石もあります。文章は達意です。
藤原正彦

  1. 2006/09/17(日) 10:08:18|
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《購書》 2006.09.16 廣文館福山ロッツ店

廣文館福山ロッツ店
しずくんちゃん7

◎しずくちゃん〈7〉わくわく★しゅうがくりょこう,ぎぼりつこ【作・絵】,,岩崎書店,,2006,¥840
 娘(小4)が欲しがったので。
  1. 2006/09/16(土) 18:31:58|
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《読書》佐藤大輔『レッドサン ブラッククロス〈1〉-合衆国侵攻作戦-』徳間文庫

レッドサンブラッククロス1


●〔68〕佐藤大輔『レッドサン ブラッククロス〈1〉-合衆国侵攻作戦-』徳間文庫 1993
(2006.09.04読了)
◎あらすじ
第二次世界大戦に勝利した第三帝国は、欧州を制圧した強大な軍事力をもって新たな戦争を始めようとしていた。本土を奪われた英国と同盟関係にある日本は、その脅威に備えるべく密やかに行動を開始。強力な兵器を装備した歴戦の強者達がひきいる第三帝国を相手に、戦歴のない若者達を多く含む日本が、総力をあげて立ち向かう。1948年5月、ついに第三次世界大戦が勃発!合衆国侵攻作戦「ゴールド」が始動する。合衆国と日英同盟を相手にした、第三帝国の全世界規模の戦略が始まったのだ。

 なぜか久しぶりに架空戦記が読みたくなりました。今さら『紺碧の艦隊』の続編を読むのもなんなので、ウィキペディアで代表的な作品としてあげられていた、この『レッドサン ブラッククロス』を買って読みました。

 過去を題材にした架空戦記では、史実と違う結果を求められます。第二次世界大戦の場合は、連合国ではなく枢軸国が勝利(あるいはそれに近い形)することになります。連合国と枢軸国では国力(工業生産力等)が違いすぎるので、そこをいかに矛盾無く、リアリティーを持って描けるかが腕の見せ所になると思います。何の脈絡もなく、ドイツ軍や日本軍が快進撃をするだけでは興ざめです。

 スタジオ・ハード(編著)『架空戦記スペシャルガイド』光栄(1995)では、『レッドサン ブラッククロス』について、次のように紹介されています。
 世界設定に、昨今例を見ないほどの努力が払われており、非常に洗練されたものとなっている。
「日独の対決」をテーマに発想された架空戦記はあまたある。しかし、本作は歴史的なターニングポイントを太平洋戦争の中に求めるのではなく、日露戦争に敗北した日本を設定することから出発している点が、他の架空戦記と大きく異なる点である。
 著者が戦記小説であることに捉われずに、広い視野で総括的に日本の歴史を考察している点が興味深い。
 日独の戦略、及び作戦や戦術もよくシミュレートされており、非常に説得力がある。また、軍事行動に関する解説は、読者に軍事を理解させようと大きな努力が払われており、著者の真摯な姿勢が強く現われている。(p.79)

 ということで、しっかりとした世界観に基づいた物語が展開されており、面白く興味深く読むことができました。
 ただ、これから2巻以降を読み続けるかは未定です。
  1. 2006/09/15(金) 05:50:29|
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《読書》架空戦記について

架空戦記(かくうせんき)は、仮想戦記(かそうせんき)もしくはIF戦記(いふせんき)、バーチャル戦記などとも呼ばれる小説、漫画等の戦記の一ジャンルである。基本的に過去の戦争に関連した歴史や、その転換点となった戦いの推移・結果が史実と異なっていたらどうなっていたであろうか、という架空の歴史を前提に描かれるものと、未来の戦争をシミュレーションするものの二系統がある。(ウィキペディアより)

 私も一時期、ハマってました。数えてみると50冊ほど読んでいました。
 最初に読んだのは檜山良昭『日本本土決戦-昭和20年11月、米軍皇土へ侵攻す!-』光文社文庫(1986)でした。1991年のことでした。ウィキペディアによると「いわゆる架空戦記の嚆矢とされる」作品だそうです。檜山良昭の作品は15冊ほど読んでいます。
 大ヒットなった荒巻義雄『紺碧の艦隊』(TOKUMA NOVELS)及び『旭日の艦隊』(C★NOVEL)も読みました。結局、シリーズの最後まではたどり着きませんでしたが。
 森詠の『日本朝鮮戦争』(TOKUMA NOVELS)は、近未来物ですが、これも9巻まで読んで途絶。
 横山信義『八八艦隊物語』(TOKUMA NOVELS)は、なかなか重厚な作品でした。これは全5巻を読みました。
 『連合艦隊ついに勝つ-ミッドウェー海戦からレイテ海戦まで-』角川文庫(1976)は、推理作家として有名な高木彬光の異色作品です。発表年代からするとこの作品が架空戦記の嚆矢のような気がしますが、後に続くブームにはならなかったようです。

 珍品を2つ。

志茂田景樹『激烈! 帝国大戦<史上最大の米本土上陸作戦>』TOKUMA NOVELS(1992)
 志茂田景樹はタレントとしても活躍した直木賞作家で、架空戦記も量産しているようです。この作品は、死んだと思った山本五十六が実は生きていて(何の伏線も無く)、米軍を一気に粉砕して逆転するというものでした。考証性やシミュレーション性というものが全く無い御都合主義で、あまりのひどさに読んでいて唖然とした記憶があります。

奈良谷隆『超戦車イカヅチ前進せよ!!』ケイブンシャノベルス(1995)
 作者の奈良谷隆はポルノ小説家睦月影郎の別名です。実は、私、一時期、Niftyの睦月影郎のホームパーティーへ参加させてもらっていたことがあります。

※架空戦記(ウィキペディア)
紺碧の艦隊(3)

  1. 2006/09/14(木) 05:51:56|
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《購書》 2006.09.09 啓文社ポートプラザ店

啓文社ポートプラザ店

●2006209,古本屋残酷物語,志賀浩二,,平安工房,,2006,¥2,100
 古本物なので。

●2006210,物語 大学医学部,保阪正康,,中央公論新社,中公新書ラクレ,2006,¥798
 医学部物なので。

◎雁屋哲(作)花咲アキラ(画)『美味しんぼ』(96)ビッグコミックス 2006 ¥530
 『美味しんぼ』なので。
美味しんぼ(96)

  1. 2006/09/13(水) 06:04:35|
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《person》阿部謹也

阿部謹也

訃報 阿部謹也さん71歳=一橋大元学長
 ドイツ中世史、西洋社会史研究の第一人者で、「世間」をキーワードに独自の日本人論を展開した一橋大元学長の阿部謹也(あべ・きんや)さんが4日、急性心不全のため東京都新宿区の病院で亡くなった。71歳。葬儀は近親者で行った。後日、お別れの会を開く。自宅は非公表。喪主は妻晨子(あさこ)さん。
 東京都生まれ。一橋大大学院博士課程修了。小樽商科大教授、東京経済大教授を経て、79年、一橋大教授に。92~98年に同大学長。99~02年、共立女子大学長を務めた。一橋大名誉教授。
 中学時代のカトリック修道院での生活をきっかけに西欧中世社会史に関心を持ち、69年から2年間ドイツに留学。グリム童話で有名なハーメルンの笛吹き男の伝承の研究を通じて下層市民の生活と社会的差別に視野を広げ、西洋市民社会の深奥に迫った74年の「ハーメルンの笛吹き男」は大きな反響を呼んだ。
 主な著書に「中世を旅する人びと」(サントリー学芸賞)「中世の窓から」(大佛次郎賞)「『世間』とは何か」など。
 97~98年国立大学協会会長。97年に紫綬褒章を受章した。
(毎日新聞 2006年9月11日10時8分更)

 阿部謹也氏の講演を聞いたことがあります。1997年3月21日(金)、場所は福山市北部市民センターでした。学区の人権啓発講演会で、演題は「『世間』と差別」。新聞でその記事を見つけて行ったのですが、入場は無料でゴミ袋までくれました(参加賞?)。内容は演題にあるとおり、お得意の「世間」論でしたが、大変に面白いものでした。しかし、たかだか学区の講演会に、当時一橋大学学長であった阿部謹也氏ほどの大物ががなぜ来たのか。今でも謎です。
 阿部謹也氏の著書は何冊か持っているのですが、読了したのは『自分のなかに歴史をよむ』ちくまプリマーブックス(1988)のみ。これを機会に、と思うのですが……。
  1. 2006/09/12(火) 06:10:17|
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《購書》 2006.09.06 ブックオフ福山野上店

ブックオフ福山野上店

●2006208,世界軍事学講座,松井茂,,新潮社,,1996,¥105
 軍事物なので。
世界軍事学講座

  1. 2006/09/11(月) 05:54:55|
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《読書》春江一也『プラハの春』(下)集英社文庫

プラハの春(下)


●〔67〕春江一也『プラハの春』(下)集英社文庫 2000
(2006.09.03読了)
 あらすじはと著者の略歴は以下の通りです。
1968年4月、プラハ。カテリーナがナビゲータを務める国際放送番組『ミレナとワインを』のオン・エアが開始された。反響の大きさに周辺諸国は警戒を強める。この一件が引き金になり「プラハの春」も、亮介とカテリーナの愛も、破局へのカウントダウンを刻みはじめる―時代の奔流に呑み込まれ、歴史の闇に葬られた、美しくも哀しい愛。

春江一也[ハルエカズヤ]
1962年外務省に入省。1965年から1969年まで在チェコスロバキア日本大使館に在勤。1968年「プラハの春」事件に遭遇、ソ連・ワルシャワ機構軍によるプラハ侵攻の第一報を打電した。その後、東西ベルリンの日本大使館ならびに総領事館に在勤、共産主義圧政の矛盾をつぶさに凝視した。また、さまざまな国際環境条約会議代表などを歴任。先頃、在フィリピン日本国大使館参事官兼在ダバオ領事を務めた。小説デビュー作『プラハの春』(集英社刊)、続けて上梓された『ベルリンの秋』(集英社インターナショナル刊)は、自らの体験をもとに書き下ろされ、ともに大きな反響を巻き起こした


 激動の歴史の中で燃え上がる二人の愛、ということで絵に描いたような大河ロマンでした。グイグイと引き込まれ、ほとんど一気に読み終えました。
 著者の経歴からわかるように、「プラハの春」事件については、著者自らが経験したことなので、その経緯については詳しく記述されており、大変興味深く読むことができました。
 亮介とカテリーナの恋愛については、どこまでが事実なのか。思わず勘ぐってしまいます。

 なお、1968年の「プラハの春」音楽祭で小澤征爾/ボストン響が、「わが祖国」と「新世界」を演奏したとなっていますが、これは史実ではないようです。
  1. 2006/09/10(日) 05:28:32|
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《コンサート》2006.09.08 モーツァルトの風

モーツァルトの風~気楽に楽しむ奇才モーツァルト
MUSIKALISCH・響 第1回コンサート


日 時:2006年9月8日(金)
場 所:ふくやま芸術文化ホール(リーデンローズ)小ホール
リーデンローズ小ホール

曲 目:
 1.歓喜に寄す K.53(47e)
 2.故に大切なことは~いと高きを求めて K.143(73a)
 3.ピアノソナタ第11番イ長調第3楽章「トルコ行進曲」 K.331
 4.幻想曲ニ短調 K.397
 5.すみれ K.476
 6.アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525
 7.歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527より
   「何というふしだらな~あの恩知らずは約束を破って」(ドンナ・エルヴィーラ)
 8.ピアノソナタ第17番ニ長調 K.576
 9.私の胸は喜びに踊るの K.579
 10.歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」K.588より
   「向こう見ずな人たちね!ここからさっさと出て行って!岩山のように揺るぐことなく」(フィオルディリージ)
出 演:
 S:今川真由美 S:廣嶋晶子 fl:河村彰子 fl:三根さわみ pf:伊藤和恵 pf:林知世 pf:興梠徹 pf:山田恭子

 招待券をいただいたので行って来ました。気軽に楽しむことができました。
 アイネ・クライネ・ナハトムジークは2本のフルートとピアノのための編曲版でした。

  1. 2006/09/09(土) 05:38:40|
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《読書》春江一也『プラハの春』(上)集英社文庫

プラハの春(上)


●〔66〕春江一也『プラハの春』(上)集英社文庫 2000
(2006.09.02読了)
 あらすじは以下の通りです。
1967年3月、プラハ。チェコスロバキアは共産主義の抑圧から脱し、経済改革と自由化への気運を高めつつあった。そのさなか、堀江亮介はビーナスのようなカテリーナ・グレーベと出会った。だが、亮介は日本国大使館員、カテリーナは東ドイツ人の反体制活動家。東西対立の最前線の地では、禁断の愛だった―現役外交官が自らの体験をもとに描いた、国際ラブ・ロマン。

 感想は(下)でまとめて書きたいと思います。

 この本の中に何箇所か神聖ローマ帝国の首都だったプラハという記述が出てきます。あれ、神聖ローマ帝国の首都はウィーンじゃなかったしらと思い、調べてみると「1346年にボヘミア王、カレル1世が神聖ローマ帝国の皇帝に選ばれ、カール4世となると、神聖ローマ帝国の首都はプラハに移され」(ウィキペディアより)ということで、たしかに神聖ローマ帝国の首都だった時期もあるようです。勉強になりました。

  1. 2006/09/08(金) 05:07:00|
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《読書》杉山幸丸『崖っぷち弱小大学物語』中公新書ラクレ

崖っぷち弱小大学物語


●〔65〕杉山幸丸『崖っぷち弱小大学物語』中公新書ラクレ 2004
(2006.08.31読了)
 著者の略歴は以下の通りです。
杉山幸丸[スギヤマユキマル]
1935年生まれ。58年東京教育大学理学部卒業。63年京都大学大学院理学研究科修了。理学博士。京都大学霊長類研究所助教授を経て87年教授。96~99年同所長。97~2001年日本霊長類学会会長。2000年東海学園大学人文学部教授。04年3月まで学部長 。

 長年、「一流大学」(京都大学)の教授をつとめてきた著者が、定年後、「崖っぷち弱小大学」(東海学園大学)の教授になり、その立場から崖っぷちにある弱小大学がどうしたら生き残れるかを論じた本です。

◎「崖っぷち弱小大学」の実態
 さて、最も基本的な教養教育を進めるために大学の教員が最初に直面する難題は、なんと「授業管理」または「教室管理」と言われるものである。もう二〇年も前から、あちこちの大学で授業中の学生の私語の多さが問題になっていた。(中略)それだけではない。あまり頻繁に注意すると授業が進まなくなるので放っておけば、携帯電話、お茶やジュースのボトルやパック、喫煙具、分厚いマンガ、鏡と化粧道具などを平気で机上に出して、ときどき見ている。帽子をかぶったままの学生も毎回注意しなければならない有様だ。つい、こっくりこっくりしてしまう居眠りならまだしも、机に突っ伏して始から終わりまで熟睡したままの者もいる。(p.84)

◎学生による「授業評価」の実態
 私の授業では教科書も参考書も買わせたことはない。ときどき参考図書を紹介するが、すべて「大学の図書館に入れてあるからね」と断っている。それなのに授業評価でも自由記述欄には、「教科書や参考書を買わせておいて一度も使わなかった」と苦情を書いた学生がいる。ぐっすり眠り込んでいたので、いま、どの授業について評価しているのかもわかってないのじゃなかろうか。(p.87)

◎どうしたらよいのか。
 少なくとも人文系の弱小大学における教育の目標は教養教育ということにつきるだろう。社会に出て普通にやっていけるマナーを身につけさせ、常識を身につけさせることである。(p.120)

 さて、そんな学生たちに何をどう教えるのが大学教育か。それは、○○学の具体的内容と同時になぜ○○学が面白いのか、先生が何が楽しくて遅くまで研究室に張り付いて、ときには休日まで費やし、一生をかけてまでそんな役に立ちそうもないことに情熱を燃やしているのか。それを伝えることが大事なのではなかろうか。無気力だといわれる学生たちの隠されたアンテナに届くような発信を心がけたい。それが大学教員の使命であり、ほんとうは大学教育の隠された最も重要な部分なのだと私は思う。(pp.109~110)

◎東海学園大学の「崖っぷち」度
 著者は東海学園大学を「崖っぷち弱小大学」と規定しています。たしかに、私も本書を読むまでこの大学のことを知りませんでした。ですから、ローカルではともかく、全国的には無名の大学だと思います。
 では、具体的な「崖っぷち」度はどれくらいなのでしょうか。
 代々木ゼミナールの「私立大学入試難易ランキング表(2007年度用) 文・教育・外国語・家政系」によると東海学園大学・人文学部はランク(偏差値)「47」となっています。
 東海学園大学より偏差値が下(46以下)の大学・学部はざっと数えると240ほどあります。東海学園大学が「崖っぷち」とすると、すでに「崖下」に落ちている大学もあるのではないでしょうか。

 同じ大学論でも森博嗣『大学の話をしましょうか-最高学府のデバイスとポテンシャル-』中公新書ラクレとはだいぶ趣を異にしていますね。
  1. 2006/09/07(木) 05:02:18|
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《購書》 2006.09.01 ブックオフ神辺店

ブックオフ神辺店
『出版業界最底辺日記』がもう店頭にありました。

●2006201,翳りゆく夏,赤井三尋,,講談社,講談社文庫,2006,¥400
 赤井三尋なので。2006年8月出版です。

●2006202,レッドサン ブラッククロス〈1〉-合衆国侵攻作戦-,佐藤大輔,,徳間書店,徳間文庫,1993,¥105
●2006203,レッドサン ブラッククロス〈2〉-迫撃の鉄十字-,佐藤大輔,,徳間書店,徳間文庫,1994,¥105
●2006204,レッドサン ブラッククロス〈3〉-反撃の旭日旗-,佐藤大輔,,徳間書店,徳間文庫,1994,¥105
 久しぶりに架空戦記が読みたいと思って。

●2006205,ヒムラーへの密使,滝雄一,,徳間書店,トクマ・ノベルズ,1999,¥105
 面白いかと思って。
ヒムラーへの密使

●2006206,作文に強くなる,馬場博治,,岩波書店,岩波ジュニア新書,1993,¥105
●2006207,道徳は教えられるか,村井実,,国土社,国土新書,1967,¥105
 知的興味関心から。
  1. 2006/09/06(水) 05:12:52|
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《雑記》佐々木倫子『ペパミント・スパイ』における軍事趣味

ペパミント・スパイ1

 『動物のお医者さん』で有名な佐々木倫子に『ペパミント・スパイ』という作品があります。
 1982年から1987年にかけて、『花とゆめ増刊号』、『エポ』に掲載され、単行本は花とゆめCOMICSから2巻で出ています(1985・1987)。
 内容は以下の通りです。
スパイになりたい! なんたってスパイはカッコイイ!! 人の迷惑顧みず、ひたすらスパイという職種に憧れた一青年が、幸運にもスパイ養成学校の入試に合格!! さあて、あとはもうスパイ街道まっしぐら!? 過酷で複雑怪奇なスパイの世界をシカトして、ドナルド君が大活躍!(1巻カバー見返し)
暗号名ドナルド。スパイ学校に自力(参照:ペパミント・スパイ1巻)で入学した自称、優等生(あくまで自称)である。そんな彼が開校以来の逸材(!?)に戸惑う校長とやはり自力で得た相手の委員長とともに仲間の自殺の真相を追う「暁の人工都市編」他シリーズ3編収録の非情!?の第2弾(2巻カバー見返し)

 ドナルド、委員長、校長が主な登場人物の、シュールな無国籍ドタバタ・スパイ・コメディです。
 第2巻に「運動場の参謀編」という作品が収録されています。
 校長が士官学校時代の友人から野球の試合を申し込まれます。そこで、急遽、スパイ学校で野球チームを結成し、校長の友人が率いる高校生チームと対戦します。スパイ学校チームはドナルドがエースピッチャー。当然、試合は……。
 さて、この作品の随所に校長と友人の士官学校時代の思い出がでてきます。

【その1】
 士官学校で野球ができずに落ちこんでいた校長を友人が励まします。
 友人「気にするなおまえは参謀になればいい」
 校長はこの一言で救われます。
 試合後、校長と友人とのやりとり。
 友人「おまえは子供の時学校遊びをして、一人一人に通信簿を作って渡したりしていたそうだな。キチンと整理し、何事も手堅い細心緻密な性格だ。おまえみたいに参謀にピッタリのやつはいないよ」
 校長(心のうちのつぶやき)「えっ まさか… その程度のことを根拠に参謀になれと言ったのか。そのことばをささえに今までがんばってきたなんて ばかみたい」

【その2】
 校長の回想
 士官学校のとき、写生の好きな先生がいてな、毎日3枚ずつ宿題がでるのだ。要塞図を蝶の絵の中にはめこんだ例もあるように、デッサンはたしかに必要だが…。私は絵が苦手だった。
 私は絵が苦手だった。
 ウンザリしていたのは私だけではなかった。
 「よし俺がなんとかしてやろう」といって彼(友人)は先生たちの似顔絵をおもしろおかしく書いて提出して大目玉をくらった。
 おかげで宿題も多さも問題になり写生は1枚でいいことになったのだが――

 以下に引用する通り、【その1】は杉山元、【その2】は石原莞爾のエピソードが基になっています。
「元帥は少年時代より几帳面であり、物事を慎重に考え、キチンと整理し何事も手堅かった。幼年時代、まだ入学もしないこと、よrく近所の子どもと学校遊びなどして、一人一人に通信簿をつくって渡したりしていたと聞いた」
 と、杉山元帥の義甥長尾郡太が語っている。(『参謀』文藝春秋(1972)より「杉山元」 p.149)

(陸軍幼年学校で)
 生徒たちの悩みのひとつは、図画の授業であった。亘理寛之助教官は熱心で、「少なくとも週に二枚は写生せよ」と命じた。ところが、二、三か月はともかく、しだいに写生の題材に困り、生徒たちは一様に不満をもらした。
 よしオレがなんとかする――と石原生徒が宣言し、やがて写生帳提出の時間になると、画用紙いっぱいに巨大な男性のシンボルを描き、注として次のように書きこんだ。
「写生ノ題材窮シ便所ニ於テ我ガ宝ヲ写ス、十月一日」
 教官は、「品性下劣、上官抵抗だ」と金切り声をあげ、教官たちの間には石原生徒の退校を主張する意見が強まった。
「オレが退校になっても、みんながたすかるならそれでいい」
 石原生徒は泰然としていた。同期生たちは、要するに図画の授業が過酷なのが原因だ、と生徒監に意見具申し、校長も入校いらいトップの成績をつづける石原生徒の将来を、惜しんだ。
 結局、写生は随意科目となり、石原生徒も不問に付された。(同上書より「石原莞爾」 p.14)

 少女マンガと帝国軍人というこのミスマッチ! 百歩譲って石原莞爾までは許すとしても、杉山元まで出てくるこのマニアックさ! うーん、ディープです。

〈蛇足その1〉
 この「運動場の参謀編」の扉絵の背景はどう考えてもバルバロッサ作戦の地図ですね。

〈蛇足その2〉
 同じく第2巻に「ピーターラビットは諜報部員編」があります。この中にケーディスとウィロビーという人物が出てきます。いうまでもなく、二人ともGHQの高官ですね。
  1. 2006/09/05(火) 21:14:54|
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《購盤》2006.09.01 ブックオフ神辺店

ブックオフ神辺店
ヨッフム/ベートーヴェン:交響曲全集


◎ヨッフム/ベートーヴェン:交響曲全集

 ベートーヴェン:交響曲全集
  オイゲン・ヨッフム/LSO
Disky(EMI) 5枚組 ¥3,050

 オーソドックスな名盤かと思って。
  1. 2006/09/04(月) 05:18:16|
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《読書》フレデリック・フォーサイス(著)篠原慎(訳)『イコン』(下)角川文庫

イコン(下)


●〔64〕フレデリック・フォーサイス(著)篠原慎(訳)『イコン』(下)角川文庫 1998
(2006.08.27読了)

◎あらすじ
コマロフの野望は阻止されねばならない。英情報部は元CIAのジェイスン・モンクに白羽の矢を立てる。彼にはかつてソ連に苦杯を喫し、CIAを追われるという苦い過去があった。が、対露工作に関して、彼の右に出る者はいない。英情報部の作戦は、繊細を極めた。単なる暗殺では、第二のコマロフを誕生させるだけだ。モスクワに潜入したモンクは世論に影響力を持つ四人の人物に接触を始める。が、追手はすぐに迫ってきた。現役時代の宿敵、元KGBで、今やコマロフの右腕となったグリシンだった…。諜報小説の巨匠が二十五年の万感を込めて描く、絶筆作品。

 フォーサイスを最後に読んだのが1994年(『カリブの失楽園』)だったので、12年ぶりです。昔のように面白く読めるだろうかと不安でしたが、杞憂でした。上・下2冊を一気に一日で読んでしまいました。
 一見関係ないように見える複数の話が並行して描かれ、それが最後に結びつく。あっと驚ドンデン返し。懐かしのフォーサイス節は健在でした。冷戦時代の米ソのスパイ戦を描かせるとピカイチですね。
 キャラも立ってました。特に元SIS長官のナイジェル・アーヴィン卿がいい味を出していました。敵役のアナトーリィ・グリシンUPF警護隊長(元KGB大佐)も大変に憎々しげでした。

 なお、フォーサイスはこの作品を最後に小説の筆を折るということでしたが、その後も作品を発表しているようです。上記のあらすじにもそのことが書かれていますが、「絶筆」とはあまり書かないような気がします。
  1. 2006/09/03(日) 09:33:52|
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《読書》フレデリック・フォーサイス(著)篠原慎(訳)『イコン』(上)角川書店

イコン(下)


●〔63〕フレデリック・フォーサイス(著)篠原慎(訳)『イコン』(上)角川書店 1996
(2006.08.27読了)
◎あらすじ
1999年。天文学的なインフレに見舞われた瀕死のロシアに、一人の政治家が彗星のように登場した。イゴール・コマロフ。このカリスマ性溢れる情熱的な雄弁家は、冷静な戦略家でもあり、国民の圧倒的な支持を得、次期大統領の座は確実だった。ある日、在露英大使館に不審な文書「黒い宣言」が投げ込まれる。そこには醜悪ともいえる過激ナショナリズム政策が記されていた。英情報部はあることに疑念を募らせる。そして数日後、コマロフの側近が死体となって発見された…。混迷する近未来ロシアを巨匠が大胆に描く、超大型スリラー。


◎フォーサイスとの出会い
 はじめて読んだフォーサイスの作品は『オデッサ・ファイル』です。1979年、高校生でした。きっかけは少女漫画家の木原敏江がコラムで紹介していたからです。たちまちその面白さに魅了され、彼の作品を次々と読んでいきました。特に『悪魔の選択』は発売とほぼ同時に読み、感銘を深くしました。
 読了した作品は以下の通りです。

・オデッサ・ファイル
・戦争の犬たち
・悪魔の選択
・ジャッカルの日
・シェパード
・帝王
・ハイディング・プレイス
・第四の核
・ネゴシエイター
・騙し屋
・売国奴の持参金
・戦争の犠牲者
・カリブの失楽園

◎おまけ
・『悪魔の選択』におけるソ連共産党政治局メンバー
マクシム・ルージン………………ソ連共産党書記長
ワシーリイ・ペトロフ……………ソ連共産党組織・党活動部長
ドミートリイ・ルイコフ…………外相
ユーリイ・イワネンコ……………ソ連共産党政治局員KGB議長
エフレム・ビシナーエフ…………ソ連共産党政治局員(理論面担当)
ニコライ・ケレンスキー元帥……国防相
コマロフ……………………………ソ連共産党政治局員(農業担当)
ビタウタス…………………………ソ連共産党政治局員(リトアニア共和国出身、バルト人)
チャワーゼ…………………………ソ連共産党政治局員(トビリシ共和国出身、グルジア人)
ムハメド……………………………ソ連共産党政治局員(タジク共和国出身、東洋人回教徒)
ステパーノフ………………………ソ連共産党政治局員(労働組合担当)
シュシキン…………………………ソ連共産党政治局員(諸外国共産党連絡担当)
ペトリャーノフ……………………ソ連共産党政治局員(産業・経済計画担当)
  1. 2006/09/02(土) 14:02:55|
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《読書》柳原秀基『新・システム管理者の眠れない夜【ほんとうに価値のあるシステムを求めて】』IDG

新・システム管理者の眠れない夜


●〔62〕柳原秀基『新・システム管理者の眠れない夜【ほんとうに価値のあるシステムを求めて】』IDG 2006
(2006.08.27読了)
 内容は以下の通り。
本書を涙なくして読めない「システム管理者」って多いはずです。Windowsシステム活用情報誌「月刊 Windows Server World」に10年にわたって連載されたエッセイをまとめた最新作です。2003年刊行の「システム管理者の眠れない夜」の続編になります。ビジネスマンの誰もが電子メールを使い、パソコンから会社のコンピュータシステムにアクセスする。そんな当たり前のIT環境を日々守ってくれているのがシステム管理者です。情報システムとそれに振り回される人々の姿を、泥臭く、ときには笑いをまじえた軽妙な語り口で読ませます。システム管理を生業にしている人だけでなく、一般ユーザーにもぜひ読んで欲しい1冊。

 私も前の職場ではシステム管理者のような仕事をしていたことがあります(著者と較べれば木星と冥王星ぐらいの差がありますが)。その関係もあって、著者の前著である『システム管理者の眠れない夜-本当に価値のあるシステムを求めて-』IDG(2000)及び同書の【新装改訂版】(2002)を読みました。大変に面白かったので本書も即買い・即読みでした。期待通りでした。
(著者が新人にシステム管理者の心得を説く場面)
筆者「ネクタイは何本持ってんの?」
新人「3本です」
筆者「もうちょい、欲しいなあ。これからユーザーのところに足を運ぶことが多くなるやろ。ユーザーの中でも、特に女性はそういところはよう見てるんやで」
新人「やっぱり、そうなんですか」
筆者「そや。前の会社で、毎日ずーっと同じネクタイの人がおったんやん。職場の女性から“気色悪い”とまで言われてたんやでえ。本人にはきこえんところでやったけどな。とにかく、ネクタイとワイシャツは毎日変えていきや。あと、かかとがすり減った靴を履いて行ってもあかん。ユーザーとお近づきになるには、とにかく清潔第一やで」
新人「給料、安いんですよー。今月は残業を多めにつけていいですか?」(知人の顔を見る)(pp.153~154)

 一見、システム管理とは関係ない話のようですが、「ユーザーがどのような職場環境や人間関係の中で働いているのかを知らなければ、システム管理者が提供した情報システムが活用されているのか、それとも嫌々使われているのかということもわからないのである。(p.152)」ということを説いているわけです。

 システム管理にはコンピュータ同士のネットワークだけでなく、人間同士のネットワークが極めて大きな要素になっているということは、私も感じていることです(と、エラソーに言えるほどシステム管理の仕事をしていた訳ではありませんが……)。

※柳原秀基関連資料置場
  1. 2006/09/01(金) 18:09:04|
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